歯列矯正、どうして歯が動く？綺麗な歯並びまで道のり
こんにちは、藤沢ギフト歯科・矯正歯科の歯科助手です。
当院では「インビザライン」というマウスピース矯正と、従来のワイヤー矯正を行っており、日々患者さんから矯正に関する様々なご質問をいただきます。
その中でも特に私が気になった「矯正治療でどうして歯が動くのか？」を今回はお話したいと思います。
歯列矯正で歯が動く仕組み
そもそも１本の歯は、歯肉から見えている「歯冠」と、歯肉に埋まっている「歯根」に分けることができます。
歯根の部分はただ歯肉に埋まっているのではなくて、「歯根膜」という薄い膜を介して顎の骨「歯槽骨」にくっついています。
歯列矯正で歯に力が加わると、この歯根膜が引っ張られたり縮められるので、窮屈な状態からもとの状態に戻ろうと、骨を壊す「破骨細胞」と新しい骨を作る「骨芽細胞」を出します。
すると数週間から数ヶ月かけて、歯根膜が縮められた側の骨は吸収され、引っ張られた側の骨は新しく作られ、動かした歯の位置に合わせて適正な歯根膜のスペースが出来上がり定着するのです。
実は顎の骨に限らず、古い骨は少しずつ吸収され、少しずつ新しく作られていて、これを「骨のリモデリング」というのですが、矯正治療では歯に力を加えることでこの骨のリモデリングを活発化させて歯を動かしています。
どうやって歯に力を加えるの？
インビザライン
インビザライン矯正は、目標の歯並びになるよう何枚ものマウスピースを始めに作ります。
それらのマウスピースは1枚1枚の形が少しずつ違い、1枚進むごとに今の状態よりも約0.2mmズレた形をしていて、毎日20時間以上装着していると7日ほどでマウスピースの形に合わせて歯が動いていきます。
次の写真のマウスピースは、全て同じ形に見えますが、1、2、3と進むごと実は少しずつ形が違います。
1枚目のマウスピースから50枚目のマウスピースまで順番に使うと、ここまで歯が動く設計になっています。
0.2mmと聞くともどかしいように感じますが、無理なくはめられて、歯に大きな負担をかけることなく少しずつ少しずつ動かしていきます。
これが例えば1枚につき1mm歯を動かす設計だと、今の歯並びと1mmずれたマウスピースを無理やりはめないといけないので、歯にかなり強い力がかかって痛みを伴います。最悪の場合は強い力が加わることで歯の神経が死んでしまう可能性もあるのです。
ちょっと怖い話をしてしまいましたが、インビザライン矯正は良いこともたくさんあります！
お時間のある方はぜひインビザライン体験記も読んでみてください♪
ワイヤー矯正
一方ワイヤー矯正はどのように動かすかというと、まずブラケットと呼ばれる凹み付きのベースを歯の表面に付けます。
そしてワイヤーをそのブラケットの凹みに入れて、モジュールと呼ばれる小さな輪ゴムのようなもので固定します。
このワイヤーは様々な太さ、形状、素材のものがありますが、はじめのうちはアーチ状に形状記憶された細いワイヤーを使用します。
凸凹の歯列にワイヤーを固定するともちろんワイヤーも凸凹と歪みますが、ワイヤーはもとのアーチ型に戻ろうとするので、その力に歯が引っ張られて動くのです。
ワイヤー矯正はこのワイヤーを少しずつ太いものに交換したり部分的に曲げたりすることで、綺麗なアーチになるように歯を動かしていきます。
歯並びがきれいになったら？
さて、綺麗な歯並びを手に入れたら、煩わしかった装置を外せるだろうと思いますよね？
実は矯正治療直後の歯は、最初にお話した歯根膜と歯槽骨のくっつきが完全ではないので、マウスピースやワイヤーの支えがなくなると、もとの歯並びに戻ろうと少しずつ動いてしまいます。これを「後戻り」と言います。
後戻りを防いで綺麗な歯並びを維持するためには、「保定装置（リテーナー）」を使う必要があるのです。
装置はマウスピース型のものや、歯の表面をワイヤーで支える様なもの、歯に直接貼り付けるワイヤーなど、元の歯並びやお口の状態に合わせて最適なものをご提案します。
当院では保定装置を2年以上使っていただくようお願いしています。
着脱式のものは最初の半年は16時間以上、その後1年半程は少しずつ使用時間を減らしていって夜寝るときのみに使用していただきます。
実は日々の食事や食いしばり、歯ぎしりなどで歯は少しずつ動いていくので、2年以上経過した後も、後戻り以外の歯の動きを抑えるために、数日おきにでも良いので寝るときに保定装置を使っていただくことを推奨しています。
最後に
どうやって歯が動くのか、ご理解いただけましたでしょうか？
矯正治療は医院や先生によって方針が異なったり、調べると様々な情報が出てきて不安になることも多いと思います。
当院では無料矯正相談を承っておりますので、歯並びやお口のことでお悩みがございましたら、ぜひ藤沢ギフト歯科・矯正歯科へご相談ください！
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