こんにちは。藤沢ギフト歯科・矯正歯科 院長の黒木です。

8020運動のことを耳にしたことがある方も多いと思いますが、どういった運動で、どのような結果が出ているのかをご存知な方は少ないのではないでしょうか?

先日、当院の衛生士向けに歯周病に関する院内セミナーを行ったのですが、内容を作っている際に8020運動について調べて新たに知ったことがあったので、この場で情報発信させていただきたいと思います。

8020運動はその名の通り「80歳で20本の歯を残そう。」という運動です。人の歯は親知らずを入れると32本ですが、多くの方の親知らずは普通には生えてくれないので、実質は28本といえます。28本の歯をできるだけ残して、80歳の時点で少なくとも20本残すことを目標とした啓蒙活動なのです。20本の歯があることで、大きな不自由なくお食事を楽しむことができるということから、目標が設定されています。

私も知りませんでしたが、意外に歴史は古く1989年から日本歯科医師会主導で始まったようです。当時は平均的な80歳の方の歯の本数は4〜5本であり、8020の達成者は7%程度しかいませんでした。インプラントも普及していないご時世でしたので、ほとんどの方は入れ歯を使ってお食事をされていたことと考えられます。その後この数値はぐんぐん改善していきます。

私は学生時代に8020運動のことを初めて知りましたが、その時に8020達成者が20%を超えたと授業で聞きました。祖母は総入れ歯でしたので、「へ〜。80歳の方でそんなに歯が残ってるんだ。」と思った記憶があります。

さて、現在はどうなっているのでしょうか?

5年に一度、歯科疾患実態調査という全国規模の国の統計調査が行われます。もっとも新しいものは2017年の調査です。

そこではなんと、51%の人が8020を達成していたという結果が出ています!!

そんなに増えていたんだ!と恥ずかしながらも正直ビックリしました。確かに診療をしていても、ご高齢の方の歯がたくさん残っているな〜。と実感します。もちろん、歯が残っていることで、虫歯になったり、歯周病になったりするリスクもありますが、自分の歯で美味しく食事ができる。というのは人生の幸せにつながることだと思います。

2012年にプレジデントという雑誌で話題になったことなのですが、55歳〜74歳の方に健康に関して何を後悔していますか?というアンケートを取ったところ、後悔の第一位が「歯の定期検診を受ければよかった。」という結果でした。様々な項目がある中で歯のことが一位になったことに当時は純粋に驚きましたが、今改めて考えてみると、歯科医院も反省すべきことがあることに気づきます。

おそらく、多くの方は「虫歯や歯周病が予防できる。」「歯を失うことは避けられる。」ということを知っているのだと思います。それにもかかわらず、定期検診に行かなかった、もしくは行けなかったから後悔されているのです。そして、行けなかった理由の一端には歯科医院の責任もあると思うのです。

確かに病院やクリニックは、不具合が生じた場合に行くことが多い場所なのでどちらかといえば負のイメージです。マイナスになったことをゼロに戻す場所。といっても良いかもしれません。健康な時はあまり行く気がしません。しかも過去の治療で痛かったり、歯科医師の説明が不十分だったりして嫌なイメージがついていることもあります。

そういったことを超えて定期検診に行くというのは、結構大変だと思います。「行くの嫌だな〜。」とか「めんどくさいな〜。」と思っても不思議ではありません。

ですので歯科医院側は努力してイメージを変えていく必要があります。治療においても、苦痛が最小限になるように工夫する、リラックスできる環境や接しやすい雰囲気にする、説明をできるだけわかりやすく行う、などです。求められている歯科医院は、「気持ち良く通える歯科医院」だと思います。そういった医院が増えて、行きたいけど行けない方を減らせることができれば、アンケートで後悔する人も減るはずです。

次の歯科疾患実態調査は2022年で、8020達成者の目標値は60%とのことです。

当院もその目標に貢献できるよう、歯科医院のイメージを変えられるように努力していきたいと思います。そして、統計結果を楽しみにしています。

 

藤沢にお住いの方も、そうでない方も藤沢ギフト歯科・矯正歯科にお越しください。

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