歯が動く理由
こんにちは。藤沢ギフト歯科・矯正歯科の黒木です。
矯正治療の話を患者さんにすると、「なんで歯って動くんですか?」と聞かれることが時々あります。
その際は、「歯に力をかけると歯を支える骨が溶けて、溶けた部分に歯が動くんですよ。」とお伝えするんですが、この説明だけで、分かりますでしょうか?すっきりわかる方はほとんどいらっしゃらないだろうと思います。
分かった方は相当なマニアです(笑)
自分で普段説明している内容に対して、わかる方はほとんどいない、というのもいかがなものかと思いますが、丁寧に話すとなかなか大変なのです。お伝えしたいことが他にたくさんあるので、どうしても優先順位としては下がってしまうのです・・・。
ということで、今日は、少しの言葉では説明が難しい、歯が動く理由について分かりやすく解説いたします。
まず、第一の前提は「歯は骨に埋まっている」ということです。
頭蓋骨を思い浮かべてください(笑)
歯が骨からニョキっと生えてるのが分かるかと思います。この骨を歯肉が覆った状態が、お口の中の状態なのです。
この前提をご理解いただいた上で、さらに一歩進みます。
実は、歯は骨に直接くっついているのではなく、靭帯を介して骨にくっついています。この靭帯は歯根膜と呼ばれます。歯を押すと若干動くのですが、これは靭帯のクッションに支えられているからなのです。
ふ〜。とても難しいですね。
第二の前提は「骨は吸収と再生を繰り返している組織」だということです。
全身の骨は数年で入れ替わるという話を聞いたことがある方もいると思います。溶けては、再生され、溶けては、再生され、ということを繰り返しているのです。新陳代謝の一種ですね。
例えば、骨粗鬆症は溶ける量の方が再生される量よりも多いから生じる疾患です。
さて、さらに踏み込みます。骨はどのように溶け、どのように再生されるのでしょうか?
体の中には骨を溶かす細胞と、骨を作る細胞が存在しています。それらが、様々なところで、働いて骨の新陳代謝を行なっています。
ここでようやく、歯が動く理由が説明できそうです。
行きますよ!
例えば、歯を右から押します。
歯は靭帯をクッションにしてわずかに動くので、左側の靭帯は縮み、右側の靭帯は伸びます。
左側では、靭帯が縮んだことが骨に伝わり、そこには骨を溶かす細胞が集まり、骨を溶かします。
右側では、靭帯が伸びたことが骨に伝わり、骨を作る細胞が集まり、骨を作ります。
これらの流れが、継続的に起きるとどうなるでしょうか?
そうです。ちょっとずつ歯の位置が変わっていきますね!これが矯正治療で歯が動く理由です。
お分かりいただけましたでしょうか?
伝わっていたら幸いです。
歯は骨に埋まっているが、骨に接しているのではなく、靭帯を介して付着している。そして、力をかけることで、骨を溶かす細胞や、作る細胞が働き、結果として、歯が動く。
ぜひ、誰かに説明してみてください。ちょっと怪しい人だと思われるかもしれませんね(笑)
今回は歯が動く理由について、解説しました。藤沢にお住いの方も、そうでない方も、矯正治療にご興味があれば、藤沢ギフト歯科・矯正歯科までご相談ください。