キシリトールって虫歯にならない夢のような素材なの…??その謎に迫ります
こんにちは、藤沢ギフト歯科・矯正歯科の歯科衛生士です。
健康な歯を守るためには、歯ブラシ、デンタルフロスや歯間ブラシで、虫歯の原因となるプラーク(細菌)を取り除くことが重要ですね。皆さんはデンタルフロスや、歯間ブラシなどの補助器具はお使いですか?
その歯みがきのテクニックを力強くサポートしてくれるのが、キシリトールなのです。
今回は、そのキシリトールのメカニズムをご紹介します。
読み終わった後、みなさんは近所のスーパーやコンビニにキシリトールガムやタブレットを買いに走っているかもしれません…
キシリトールは、なぜ虫歯にならないの?
キシリトールとは:
「天然素材の甘味料で、シラカバやカシを原料に主にフィンランドで生産されています。イチゴやラズベリー等の果物やレタスやホウレンソウ、カリフラワー等の野菜などに含まれています。また体内でも肝臓で1日に5g~15g生産されています。その安全性はWHO(世界保健機構)でも認められており、とても安全な甘味料です。日本では、1997年4月に食品添加物として認可されました。砂糖と較べて、カロリーは25%も低く、糖度は変わりません。」
キシリトールは糖でありながら虫歯をつくらないめずらしい素材です。市販のキシリトール製品の売れ行きをみると、多くの人に「虫歯にならない、いいもの」としてすでに認識されているようです。
しかし、どのような効果があるかをご存知の方は少ないと思います。中には「歯にいい成分が入っているんでしょう?」と少し誤解をしている人もいるのではないでしょうか?
具体的に、お口の中に対してどのような作用をするのか、日常の歯みがきにどんなプラスの効果があるのか、探っていきましょう。
虫歯菌は、糖を食べて栄養分を吸収し、その過程で出た不要物(酸や菌の住みかとなる物質)を排泄します。
でも、キシリトールを食べた時は違います。虫歯菌はいつものように「甘いモノがやって来た!」と喜んで食べるのですが、栄養分として消化したり吸収することができません。当然、酸や菌の住みかを作ることもできません。
まるで、空気を食べているようなものなのです。
その結果、一体何が起きるのでしょうか…??
結果①むし歯菌がお口の中から減る!
キシリトールを食べても食べても栄養にすることができない…すると、虫歯菌はどんどん弱っていき、活動できなくなります。
虫歯菌がいた場所は、空きスペースとなり、今度はそこに虫歯をつくりにくい善玉菌がやってきて住み着きます。
研究では、キシリトールを摂ることによってお口の中が「虫歯のできやすい環境」から「虫歯のできにくい環境」に変わることがわかっています。
結果②細菌マンションができにくくなる
虫歯菌は、自分が作りだす菌の住みかを足掛かりに歯にくっつきます。ネバネバしているため、つかまりやすいのです。
するとそこには、虫歯菌たちがどんどん増殖し、プラーク(細菌)を形成していきます。まるで虫歯菌たちが住み着くマンションを建設するかのように…
でも、キシリトールを摂ることで住みかがつくれなくなるので、虫歯菌にとってはとても不利な状況になり、プラークを形成することができなくなります。
「キシリトールをうまく使うことで、つくられるプラークの量はショ糖(砂糖の成分)の半分以下に抑えられる」というデータが出ています。
キシリトールは虫歯を予防する強力なサポーター
キシリトールを摂ることで虫歯菌が減ったり、虫歯菌の住みやすい環境をなくしたりすることができます。つまり、虫歯のリスクを効果的に下げることができるのです。
キシリトールは1980年代以降、日本を含む世界中でさまざまな研究が行われてきました。
それらをまとめてみると、キシリトールを食べていた人とそうでない人を比較した場合、むし歯のなりやすさは4割以下、という結果がでています。
キシリトールには一定の効果があることが証明されています。
キシリトール製品の選び方
キシリトールはこんなお悩みのある方におすすめ!!
- 細菌がすごく多い人
- 間食の回数が多いひと
- 矯正治療中で、きちんと歯みがきをするのが難しい人
効果抜群の活用方法
キシリトールは1日の合計量として5~10g摂ると虫歯予防に効果的だとわかっています。製品によって濃度はさまざまですが、濃度が高ければ高いほど効率的に摂取できます。摂取する目安は1日3回、虫歯になりやすい人は1日5回が望ましいです。毎食後や間食の後、少量に分けて、回数を多く摂ると良いでしょう。
一番良いのは、もちろん甘味料の100%がキシリトールのものです。最低でも50%のキシリトールは必要です。濃度が表示されていない場合は、栄養成分を確認し「炭水化物とキシリトールの分量が限りなく近いもの」を選びましょう。(濃度の計算式:キシリトール÷炭水化物×100)
キシリトール以外の甘味料が含まれる場合は、むし歯の原因となる糖類がゼロのものを選びます。酸をつくりにくいソルビトール、マルチトール、マンニトールなら安心です。
ただし、キシリトールを摂るだけで虫歯や歯周病にならずに済むかというと、残念ながらそれは不可能です。毎食後歯ブラシ、デンタルフロスや歯間ブラシを使ってプラークを取り除くことは必要不可欠です。
今回は、キシリトールの虫歯にならない謎に迫ってみました。
キシリトールを、日常の歯みがきのプラスαのテクニック、強力なサポーターと捉えましょう。うまく活用することで、歯みがきがよりラクに、より成果を出しやすくしてくれます。
そしてなんといっても甘くておいしい!これが、一番の魅力かもしれませんね!
みなさんも、ぜひお気に入りのキシリトール製品を見つけて、その魅力(おいしさ?)を味わってみてください。キシリトール製品には、ガム、タブレット、グミ、飴などさまざまなタイプがありますが、より長く口の中にとどまらせるには、ガムタイプかタブレットタイプがおすすめです。
ロッテのキシリトールガムはスーパーやコンビニでおなじみの商品ですね。日本歯科医師会が推奨しており、キシリトールは50%近く配合されています。
藤沢にお住まいの方も、そうでない方も、お口の中の悩みごとがありましたら、藤沢ギフト歯科・矯正歯科にぜひお越しください。お待ちしております。